エメトセルクと、その後

FF14に登場するエメトセルクの妄想SSです
※ぷらいべったーからの移行になります

・アリゼーと、その後


「ねぇ」

「…なんだ」

「あんたなんでヤシュトラの事助けたのよ、アシエンのくせに」

「…はぁ、本当に

「厭になる?」

「あぁ?」

「ふふっ」

「あー、なんだ、お前のオツムではアシエンが何たるかを何度も、何度も、何度も、何度も説明してるにも関わらず、これっぽっちも理解できてないようだが、いいか、お前らはアシエンの存在を

「誤解している?」

「…やめろ」

「ぷふっ、何を?」

「その敬意のカケラもない態度、まぁお前らなりそこない程度に敬意などという高等な技術は

「ねぇ、なんでヤシュトラ助けたのよ」

「人の言う事は最後まで聞けと習わなかったのか」

「あんた人じゃないじゃない」

「なっ」

「ふふっ」

「いいか、私からしてみれば私が人、でお前らはなりそこない、はぁ…いいか、元々我々アシエンが

「ありがとね」

「…話は最

「本当にありがと…助かったわ」

「…ふん、助けたと言うより我々アシエンを理

「それを伝えたかっただけ、じゃあね」

「おい…はぁ、なりそこないは会話というものが何たるかも知らないらしい…もはやあれでは会話ではなく演説だ…本当に

「よくヤシュトラの服装覚えてたわね」

「なっ」

「ふふっ、じゃあね」

「はぁ…ほんっとうに

「厭になる?」

「おい、貴様ちょっとこっちに来い」

「あははっ!じゃーねー!」

「ったく…本当にいっ」



「…はぁ、厭になる…」



・アルフィノと、その後


「…ほう、なかなか上手いじゃないか」

「わっ…なんだ、エメトセルク…私はあなたの事をまだ信用した訳では

「少し写実的過ぎるか?絵画とは抽象の産物でありもう少し豪奢に

「…今まで会ってきたアシエン達も傲慢だったが、あなたも多分に漏れず傲慢なようだ」

「良く分かってるじゃないか、と、言う訳でそんなアシエンの事をもっともっとよく理解する為のアシエン講座、始まり始まり」

「勝手に始めないでくれ、それに、言っただろ、私はあなた方アシエンの事をまだ信用してはいないと」

「だーかーらー、こうして親睦を深めようと絵を描いている君にアドバイスをだな」

「…必要ない」

「本当か?噂によると泳ぎに関するアドバイスも必要だと聞いたが」

「なっ!?誰にその話を

「君に良く似たなりそこないだよ、もっとも、彼女と話すのはほんっとーに厭になるのだが…まぁ我々に必要な相互理解には君みたいな堅物より、彼女の様なおしゃべりな方が

「アリゼーだ、彼女はアリゼー」

「…名などどうでも良い」

「…本当に名などどうでも良い、と?」

「あぁ、いちいちお前ら短命ななりそこないの名など覚えていたらキリが

「エメトセルク、君は相互理解が必要、と言っていたようだが」

「…」

「あなたの様な不滅の者には理解しがたいかもしれないが、我々一人一人の名は脈々と受け継がれる歴史であり、我々にとって重要な物こそ、君が"理解"すべき事なのではないだろうか」

「あーあーご高説どうもありがとう」

「君にだってあるだろう、エメトセルクという名が」

「厳密に言えばこれは名前ではない、そしてこの話は何度も、何度も、何度も、何度もしたはずだ…本当に…」

「そうか…ただ、私があなたをエメトセルク、1人の存在として認識しているのは確かだ…信用した訳ではないが、我々人間は、例え一人一人の命は儚くも他者を1人の存在として認識し、尊重し、記憶する、という事は覚えておいて欲しい」

「…ふんっ…で、お前の名は?」

「アルフィノだ」

「そうか、アルフィノ…ね、君も思ったよりおしゃべりなようだ」

「…ところで、名は覚えてもキリが無いとあなたは言ったはずだが、なぜ私の名を聞い

「相互理解が必要だと言っただろ?水に溺れないのが魚、溺れるのがアルフィノ、なりそこないの判別方法としては有用だな」

「なっ」

「じゃあな、それと泳げる様になりたかったらいつでも来い、あのエルフ族と一緒にレッスンしてやる」

「…はぁ…アシエンは本当に傲慢な奴ばかりだな…ん?エルフ族?」


・ヒカセン、その後


「…」

「…なぁ、私も長く生きてきた分、様々な事への理解は深いつもりでいるが…」

「…」

「未だにこの釣りという娯楽の楽しさが分からん、私が不滅の者だからか?お前らなりそこないは短命であるが故にあえて命を無下にする行為に快楽を覚えるのか?」

「…」

「…いや待てよ…それでもお前は昔っから釣りは好きだったよな、という事は短命かどうかは関係…

「…?」

「…いや、こちらの話だ…」

「…」

「それにしても…眠くならないか?…私は昼寝させて貰う事にしよう、釣れたら教えてくれ」

「…」

「……、…」

「…なんだ、毛布?はぁ…本当に厭になる…私はアシエンだ、お前らなりそこないと違い風邪など引かぬ、そもそも寒いという感覚も…

「…」

「…調子が狂うな…いつだってそうだ、こうなってからというもののお前と共にいると」

「…」

「…まぁいい、私は部屋に帰って昼寝させてもらう事にするよ、あそこなら魚など厭という程見れるしな」

「…」

「……はぁ……」

「…」

「…相互理解の為だ…とりあえず釣りとやらの楽しさを理解する為にもう少し共に居てやろう」

「…」

「我ら不滅の者、時間など幾らでもある、少しくらいお前と居ても

「…」

「だから毛布など要らん、ったく本当に…イックシッ」

「…」

「…なんだその顔は、いいか、我らアシエンがいわば"使っている"この器はだな、貴様らなりそこないの、おい笑うな…はぁ…本当に…」

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